WALK ABOU-美しき冒険旅行-

映画にしても音楽にしてもそうなんですが、もとはといえば自分が進んで好きになったものではありません。
今では小さくて丸っこい手なのですが、赤ちゃんの時は指が長かったらしく(?)、早合点した父親が、生まれて間もない私にピアノを買い与えたのです。後に娘がろくに就職もせず、音楽に明け暮れるとは知らずに笑。
映画についても、少女のような私の母親がおさない私をどんなエグい映画にもつれていきました。
後にヘンテコリンなサントラを作るとは知らずに。
連れて行かれた映画の中にはトラウマになっている映画もいくつかあります。
しかしそのお陰で、ここではない別の世界を夢見たり、想像する事を覚え、いろんな時をサバイブしてこれた気がします。
今日はニコラスローグの『-WALK ABOUT-美しき冒険旅行』について。
父親が無理心中を図ろうとし、ある日突然砂漠に連れてこられた姉弟
なんとか無理心中から逃れるも、都会で暮らしていた二人にとって砂漠をさまよう事は容易ではなかった。
そんな時目の前に現れたのがアボリジニーの少年だった。アボリジニーの少年は彼女への思いを募らせていく。彼女も次第に少年に心を許し、惹かれていくのだが… 。

とにかく映像が、生々しいのに永遠を感じさせる程美しいです。もはや少女のそばかす、太ももや腕の線、少年の少女への眼差しまでも、大自然の一部として私の中に熱く焼き付けられてしまいました。
一瞬でしかない生の輝きを大事に大事に丁寧に描いた素晴らしい作品だと思います。
私は何故か高校生の時のいろんな事を思い出しました。行動のひとつひとつに殆ど理由はなく、自転車に乗ってただ見える物を見、聞こえるものを聞き、言葉もないままずっと一緒にいれた『友』を思い出しました。MちゃんNさん元気かな?彼らとの日々は未だにインスピレーションの源です。