最終回!ジャンニとのツアー日記 いい加減おわりにしないとの巻

eikoplancton2009-04-09

さすがに先月帰国してから、すでに日々は更新されて、いろんな事が起きているので、ちょっとずつかきためていた旅行記を今日で終わりにしてしまいます。

詳しくは、直前に思いつきで大胆にも同行行動してくださった、さすが作家千木良悠子さんの素晴らしき日記、ゆうこのマーメイドブックhttp://chigira.exblog.jp/で!!


イタリアでの地震が気になる。出会った人は皆無事だろうか。。。どうか無事でいてほしい。





8日カターニャ シシリア島

この日は最初からトラブル続き。ミラノ、マルペンサ空港にていきなりwind jetの受付のおねえちゃんに嫌がらせをうける。せっかく女性の日ということで、シャビエからミモザの花束を朝にもらって良い日になると確信していたのに、うーむ泣きたくなるほど情けない事に。詳しくはちょっと書けないのですが。。。応戦するジャンニとシャビエ。バーカ!!と言ってやったさとジャンニは言っていた。。。やさしいジャンニ。

気を取り直しているうちに、カターニャに到着。タクシでこの日演奏するIngresso Liberoというレストランまで。しかしちょっとしか走ってないのにかなり高い金額。確か3千円くらいとられそうになっていたと思う。今日のオーガナイザーでもあるレストランのオーナーに即電話するジャンニ。するとすぐさま大男が猛獣のように凄い勢いで走ってやってくるではないか!タクシーのおじいちゃん運転手ちゃんにどなりちらす大男。このとき私の頭の中でゴッドファーザーのテーマソングが流れていた。すごすごと逃げるタクシー。
大男はそのレストランのオーナーのサウロだった。さっきとはうってかわって優しい笑顔で語りかけてくる。イタリア語だからわからないはずなんだけど、サウロの言っている事はなんとなくわかるような気がした。目で語りかけてくるのだ。
レストランに楽器をおいて、ホテルへ。サウロが用意してくれたホテルだったのだが、これがすんごいホテルだったのだ。プチスイートルームといったところだろうか?広過ぎて、どうしたらよかんべかね、ととりあえずまた手ぬぐいなどを散らかしておくぐらいしかできなかった。

時間があったので、カターニャの町を散策。ジャンニ、また甘そうなでっかいケーキをほおばる。私は「しらんぜよー」と心の中で思った。
カターニャの国旗の絵は最高である。一度チェックしてみて頂きたい。狂ってるから。あと、多くの人種が入り交じっていて、路上でのお店やら出し物やら、なんだかちょっとゆらゆらとメランコリックになる感じの騒々しさが心地よかった。太った女の子4人が腕を組んで、楽しそうに歩いている姿がなぜか忘れられない。

サウロの店でサウンドチェック。マイクスタンドがちゃんとしたのがなくて、サウロがむきだしの鉄の棒にマイクをくくりつけてインダストリアルな特製マイクスタンドを作ってくれた。この作り方や、くくっているワイヤーの事は日本に帰っても誰にも言わないから安心して、と下らないことをサウロに言ったら、なぜかゲラゲラ笑って大喜び。
朝の出来事で心が折れそうになっていたが、もうくだらない事いって切り抜けるしかない、そう思った。
サウンドチェックのあと、サウロが食事を振る舞ってくれた。壁にチェ・ゲバラなどの写真やら絵が飾ってある。サウロは結構本格的なコミュニストらしい。いろいろ千木良さんとサウロなどがそういうたぐいの話をしていたが、実はこの間、大きな魚料理が出ていて、ここで魚の骨がのどにひっかかるというハプニングが発生し、その改修工事の為全然話を聞いていなかったのだった。

のどの骨を忘れるしかないと思ったその時、道化師のような男があらわれた。
その男はこの日に一緒に演奏するドラマーのフランチェスコ・クーサ。2、3日前から、ジャンニがファントムを沢山みるクレイジードラマーと噂していた人だ。見るからに「開いちゃってる」感じの人だ。
「ジャンニとツアー?ほんまにジャンニとツアー?!そんなの最悪やろ!!」と何度も私に叫ぶフランチェスコ
この後のジャンニのフランチェスコについての説明が主に彼の恋愛の痛手をほじくり返すような話で、フランチェスコの恋愛に関する少々偏った行動などについてだった。。。負けず嫌いなイタリア人達。。。
この変な人たちの会話により、のどの骨はどうでもよくなっていった。

演奏が始まる。最初は私とジャンニのデュオで始めることに。
しかし2曲目にすごい早い曲を目をつぶって演奏しているときに、突然ジャンニのサックスの音が聞こえなくなり、ふと見ると、ジャンニは座り込んでしまっていた。演奏を終わらせる。ジャンニは「具合が悪くなってしまったので、少し休憩します」とアナウンスし、トイレに駆け込む。
その間、私とフランチェスコで、トイレの門番をしていた。「私たち新しい仕事見つけたね、トイレの警備。これはやりがいがある」と話すと「しかもジャンニが入るトイレだけだろ」と乗ってくるフランチェスコ

ジャンニ魔界から生還、ライブ再開、ふるわす音塊、名誉挽回!(ここはラップ調によんでね☆)
ジャンニは顔色が悪いが、演奏は感動的なまでに素晴らしかった。やっぱりすごい人なのだ。最後の夜にふさわしい、永遠を感じさせる音色。フランチェスコのドラムもスネアのみで、いろんな音色やリズムを生み出していた。圧倒的だった。彼は天才だったのだ。
こんなにしょぼい私のような人間が出会うにはもったいない人たちだと思った。
感謝の気持ちと一から出直しだという気持ちが入り交じって、胸いっぱいでホテルに戻って行った。その戻る途中またもや、事件が。。。
しかし、無事に到着。


9日 カターニャ→ミラノ
ジャンニと涙のお別れ。私はこういう別れは非常に苦手とする分野。わけのわからない表情でバイバイした。
ジャンニからは本当にたくさんのものをもらった。それは言葉では言えない。音楽的にも人間的にも沢山学ばせてもらった。

ミラノにもどり、夜、シャビエとバレンティナがディナーに誘ってくれ、ミラノのかくれ名所を車で案内してくれた。なんて気が利いているんだ。。。

夜千木良さんと思い出がいっぱいのツアーを振り返ったり、日本に戻ってからの事への準備など。。。


10日→11日
帰国、帰りの飛行機の中ですでに体調があんまりよくなかった。
新宿駅で、ハデにこける。羨望の眼差し。けっこう死にそうになりながらの帰宅。いっきに疲れが吹き出て来た。
一緒についてきてくれた千木良さん本当にありがとうございます。音楽のツアーについていくのは大変だったと思います。
でもいろんな事を共有できて嬉しかったです。

大切な人がまたまた増えた。私には彼らを日本に呼ぶ責任がある。。。というかもう決まっているのです。


というわけで、とりあえず7月に実現するのがジャンニとベースのダニエレと私のトリオのジャパンツアーです。ただいま絶賛ブッキンング中。
間もなく告知します!!

8月末にはシャビエとバレンティナがやってくるので、なにかしらやると思います。

そして11月にはジャンニとフランチェスコのバンドが日本にやってくるそうです。。。楽しみ!




おまけ

実はわたしは偶然にもイタリアに行く前から、トスカーナの風景に虜になっていたことが判明。

以前に見た、大好きな監督キエシロフスキの遺稿を映画化した「ヘヴン」という映画の中の風景と電車から見えた景色が完全に一致したのだった。

これはその映画の一部を編集したもの。
http://www.youtube.com/watch?v=vtpKmNbeniY









トスカーナの風景(写真)。。。私が撮った写真ではないけど。。。