ソロアルバム制作秘話その3:建物

eikoplancton2006-02-02


いろんな制約にとらわれず、時空間を乗り越えて自由に音楽をやりたいというのが、私の常日頃の夢です。
あり得ない場所にあり得ない状況が存在する事を想像するのは、私の幼い頃からの趣味で、それが一番ひどかった高校の時は『トリッパー』と呼ばれ、ある日授業中に手のひらの細胞の中で旅していた時は、突然国語の先生に「そろそろいい加減にしろよな」と言われ相当恥ずかしい思いをしたものです。
そんな話はさておき、かつてガスタンクの上で録音したいと日記に書きましたが、演奏はもっと自由に、いろんな所でなされるべきだと思います。そういった意味で、空間や建物はとても音楽と密接な関係にあってほしいと切に願います。
ジャケットのコンセプトにはそんな夢をたくしたかったのです。
本当は毎日こんなこと考えていられたらどんなに幸せだろうと思いますが、明日もふつうに朝起きてふつうに仕事をこなしふつうの賃金を得なくてはならず、、ああ普通に暮らすって結構忙しいし大変です。
そんな普通人間の私の代わりになり、建物の設計をして下さったのが、前々回の日記で紹介した、まごちゃんです。(まごちゃんとは、もう次のアルバムの制作の計画が進んでいるのでありまっすオッホン!)
特にこんな風にして、とかそんな事を言う必要は全くないと最初から信頼しきっていたのですが、本当にまさに夢にまでみた感じとかなり近かったので、初めてみたときは、ゾクっとして言葉がでませんでした。
実際にすると全長60メートルほどあり、しかし実際に建築することは、柱がないのでこの地球上では無理ということでした。逆にいうと、制限の多いこの地球で、ただただ朽ちていく短い人生を豊かにするヒントは、人間の想像力にしかないのかもしれないと、この小さな建物は教えてくれました。
しかし、私はその建物を燃やす所を写真に収めたいと、まごちゃんに設計をお願いした時に、ぬかしてしまったのです。
撮影前日の夜、燃やしてしまうのが悲しいとまごちゃんに訴えたところ、次のような答えが。
「全然悲しくない。建築は所詮自然にはかないません。超有名建築家コルビジェもおじいさんになってから自然は正しい、建築はあやまちである て言い残している。私も絶対そうだと思ってる。だから全然悲しくないよ。」

つっづっく

まごちゃんと建物

まごちゃんはこれをみて「火事って怖いね〜」と言っていました。
そういえば小学生の時、市主催の防災キャンペーンのポスターが募られ、「火事はこわい」と言う血の色のタイトルと燃えさかる家の前で茫然と立ち尽くす母親と泣いている子どもを描き、もちろん何の賞にも輝きませんでした。